管理番号 | 新品 :23558600 | 発売日 | 2024/05/11 | 定価 | 60,000円 | 型番 | 23558600 | ||
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作者:蛯子善悦画材:油絵題名:「木のある風景」サイズ:F4号※絵には傷も無く綺麗です。額は当初からの物であるが、写真から分かるようにまだ十分美しい。しかし、多少時代が経ったものですので、細かな傷などご容赦下さい。
・この絵は描画用パネルに描かれています。表面は綺麗ですが、裏面は経年のやけや染みが見られます(写真参照) 絵の具の付着も見られます。・木枠は帰国時の個展で日本製の物を利用したようです。 パネルですと大幅に作品の持ち帰りが楽になるのでそうしたのでしょう。・万が一この作品が、公式鑑定人によって真作ではないと判断された場合には、落札金額と送料をお返しします。
最近では珍しい蛯子善悦の自筆画である。日本在住時代は暗い感じの絵が多かったが、パリに身を置いてからは、明るく光に満ちた画法に変化した。点描画では混色による明るさの低下を防いで、明るい柔らかな画面となる。しかし、ジョルジュ・スーラに見られるように、フォルムはしっかりと保たれている。蛯子の晩年の絵は、筆によるタッチをおおきな点とする点描画の雰囲気がある。そして、彼はそれを突き詰めた結果フォルムはおぼろげとなっていって、そこにあるのは光を含んだぼんやりとした大きな点の集合である。フォルムはもう崩壊寸前である。静物画では特に顕著。これを指して次のように語る者もいる。「ヨーロッパ居住後は、野外で自然が織りなすさまざまな光、空気、匂いの中に身をおき、目に見えるものを捉えつつ仕事をすることを至福とし、画風を確かなものにしていった。そして辿りついた世界は、優美といっていい、光りに満ちた空間の仕事だった。その風景や静物画は東洋的な精神とヨーロッパの精神の結合から生れた深いものだった。」
蛯子の絵を愛する人々は、このフォルムが消えてしまう寸前の危うい光の揺蕩いに魅せられているのだと思う。点に分解してしまう寸前でそれを引き留めているものの存在に東洋の何かがあると感じるのだろう。貴重な蛯子の絵画、この機会にどうぞ。